たった一言を君に
「瀬良君…」

口から滑り出したのは、何年か前ずっと聞いていた
聞き飽きるほどの自分の声だった。

頭の中で反響するだけの声になってしまっていたが。

掠れているのかも大きさもわからない。

ただ、伝わって欲しくて、

「瀬良君!!」


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