眠り姫の憂鬱
あっという間にお昼になって、ショウゴさんと遠藤さんが会議室に顔を出す。

「お昼やすみに連れ出してもいいかな?宮崎さん。」とショウゴさんは照れた顔を見せる。

「将吾君は心配性ね。私が美月ちゃんに意地悪でもしていると思ってるの?」と不機嫌な声を出すと、

「将吾のヤツ、何度も時計を気にして、
『美月、大丈夫かな』とか言ってさ…困ったヤツだよ」と遠藤さんが宮崎さんに言っている。

「将吾さん、婚約したら仕事ができなくなった。とかいう噂は聞きたくないですよ。」

「…真面目に働きます。」とショウゴさんは宮崎さんに言って、私の手を取る。

「行ってらっしゃい。社内でイチャイチャしないで、家でしてください。」

「はいはい。」と手を振って私に笑いかけ、そっと肩を抱いて部屋を後にした。


…えっと、手を繋ぐのと、肩を抱くのはどっちもイチャイチャに見えないかな…


「副社長、後ろを歩いていいですか?」と部屋の外で立ち止まると、

「昼休みだろ。俺に触られるのが嫌なの?」と

「い、嫌じゃありませんけど…社内では後ろを歩きます。」

「じゃ、副社長室ではいいだろ。誰も見てないし…」

「…副社長室も社内です。」

「美月は相変わらず、真面目だな。」と言うので、

「…以前は…どうでしたか?」と急に不安になって聞くと、

「昔も今も真面目で、手を焼いた。」とくすんと笑うので、


良かったと胸を撫で下ろし、

「…社内では手も肩も触らないでください。」と言うと、

「約束できない。」と笑った声で、私の前を歩き出した。


「…」私は開いた口が塞がらないまま、ショウゴさんの後ろを歩く。

「…言うと思った。」と遠藤さんが私の隣を歩きながら笑いかけてきた。


もう!ふざけるのはやめて欲しい…








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