Candy Basket
床の冷たさが薄いストッキングを通して足の裏に伝わり、小さく身震いする。
ひさしぶりに訪れた母校は、放課後で人気もないせいか、薄暗くて寒かった。
冷たい廊下をつま先立ちで歩き、かつて高校生活を送っていた教室に足を踏み入れる。
そこからはグラウンドがよく見えた。
窓際に歩み寄ってぼんやり外を覗くと、アメフト部が練習していた。
その練習風景を眺めながらため息をつく。
偶然通りかかった高校の前。
卒業して一年が経つ母校にふと立ち寄りたくなったのは、高校時代から付き合っている彼氏とひさしぶりに喧嘩したせいかもしれない。