君と見上げた空はもう一度
9月4日。陸は着替えを済ませて家を出た。
会場の近くのテントではおじさんたちがもう酒を飲んでいた。
階段を一段一段しっかりと登る。
すると変わらぬ景色が俺をむかえてくれた。
大きな木や鳥居。狛犬、そして明るく輝く夜店。
全てに懐かしさを感じる。
少しの間景色をみていると、いつの間にか境内は人であふれていた。
そしてあの日と同じように一発の花火が秋の夜空に打ち上がり、祭りの始まりを告げた。
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