天使の傷跡


「明日」

「…えっ?」

しばし天を仰いで目を閉じていた課長がいきなりこちらを向いて心臓が跳ね上がる。
これじゃあじっと見ていたのがバレバレだ。

「明日、うちに来いよ」

「___え?」

「えっ…て。お前、そればっかりだな」

「え…」

ほらな、と課長が笑う。

「仕事がある日はあまりゆっくり時間が取れないだろ。だから明日来いよ。
…って、もしかしてもう予定が決まってたりするか?」

「…いえ、それは…」

嘘でもあると言えばいいものを、悲しいかな、今日も馬鹿正直に答えてしまった。

…とはいえ、この人なら速攻で嘘など見抜いてしまうだろうけど。


「お前は俺の恋人だろう?」


顔を覗き込みながら囁かれた一言に、今度こそ本気で心臓が止まるかと思った。

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