飛べない鳥に、口づけを。





小沢さんの話をすると、どうしても気になってしまうのは樹君だ。





「あの……」




あたしは震える声で、矢沢さんに聞いていた。




「樹君に……会いましたか?」






樹君は元気にしているのだろうか。

足は順調なのだろうか。

もはや他人なのに、そんなことばかり気になる。



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