飛べない鳥に、口づけを。






『戸崎柊』




そう名前が書かれていた。

あたしはその名前を知っている。





「マジで!?マジで戸崎柊がいるぞ!」



「サインくれるかな!!」




固まるあたしを置いて、矢沢さんと南さんははしゃいでいる。

そんな戸崎柊を見ることなんて出来なかった。



だって……

彼は、樹君のチームメイトだから。

あたしを指名だなんて、樹君の話に決まっている!


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