飛べない鳥に、口づけを。





「俺、樹と親友だと思ってたのに、アンタのこと昨日聞いたんだ。

樹に黙ってばっくれやがったんだって?」



「ばっ……ばっくれた!?」




あたしの声は裏返っていた。




ばっくれたって、何その言い方。

まるであたしだけが悪いみたいではないか。

……いや、確かにあたしはばっくれた。

樹君に理由も説明せず別れを告げ、連絡を絶ったのだ。


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