飛べない鳥に、口づけを。
「お大事にしてください」
だからお帰りくださいとも言わんばかりに薬を突き出す。
その薬を受け取りながら……
戸崎柊は意外な言葉を発した。
「アンタ、もう樹のことはいいのか?」
「……え?」
樹と聞いて、心臓が飛び出しそうになった。
「樹のことは、遊びだったのか?」
「……遊び!?」
素っ頓狂な声を上げる。
なに?
遊びって、なに!?
目を見開いて戸崎柊を見るあたしを、彼は困った顔で見返した。