飛べない鳥に、口づけを。
サポーターは口々に言う。
「小沢樹がいないから、アスールは不調だ」
「小沢樹、帰ってこーい」
それは樹君が期待されている証拠だが、その言葉さえ樹君に重くのしかかっていただろう。
軽々しいことなんて言えなくて、ぐっと口を噤み下を向く。
そんなあたしの頰に、そっと手を伸ばす樹君。
樹君の手が触れた部分が発火しそうで、
「ひゃっ!」
変な声が出てしまう。
そのまま顔をぐいっと持ち上げられ、樹君のまっすぐな瞳と視線がぶつかる。
胸を焦がしながら、その瞳に釘付けになる。