飛べない鳥に、口づけを。
ゲームをしている樹君とひじがぶつかる度、飛び上がりそうになる。
樹君の声が聞こえる度、悲鳴をあげそうになる。
正直、ゲームなんて楽しめなくて、樹君の一挙一動に焦がれた。
「菜緒ちゃん、行けぇ!」
「あっ……うん!!」
頑張ってボタンを連打するが、雑念に悩まされるあたしは当然ゲームなんかに集中出来ず、ゲームオーバーになってしまう。
あたしのせいで樹君の努力が水の泡になったのに、
「あー、おしかったね」
樹君は怒ったりしない。