飛べない鳥に、口づけを。





「菜緒ちゃん」




樹君は笑顔のまま、あたしに向かって手を伸ばす。




「え?」




真っ赤な顔で、震えながら樹君を見るあたし。

そんなあたしに、樹君は言う。




「ぎゅーっとして、いい?」



「ぎっ……ぎゅーっと!?」





まさか、それって……




破裂しそうな胸を押さえ、固まっているあたしを……

容赦なく樹君が抱きしめる。

硬い身体と甘い香りに身も心も狂わされる。

抱きしめられただけで、おかしくなりそうだ。

心臓だって止まりそう。

あたしはこうも樹君が好きなんだ。



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