飛べない鳥に、口づけを。





「「え?」」




矢沢さんと南さんはハモりながらあたしを見る。

そんな二人を見るあたしは、顔が真っ赤だ。

真っ赤な顔で、震えながら言った。




「分かっています……

患者様の孫なんて……」




そう言いながらも、あたしの胸は熱く甘い音を立てている。

いけないと思うのに、樹さんを思うと顔がにやけてしまう。





「あのっ……行ってきます!!」




半ば叫ぶような声で告げ、あたしは薬局を飛び出していた。


< 35 / 252 >

この作品をシェア

pagetop