飛べない鳥に、口づけを。
「仕事後に行ってみます」
矢沢さんに告げながら、ふと思った。
イケメン男性の矢沢さんは、あたしの最も苦手とするタイプだった。
そんな矢沢さんとは、今までマトモに会話したことがなかった。
でも、今日は違う。
緊張もせず、リア充みたいに普通に話が出来ているのだ。
あたしのイケメンアレルギーは、確実に良くなってきている。
これも樹さんに会ってからだ。
樹さんはこうもあたしを幸せな気分にして、変わらせてくれたのに、あたしは樹さんを傷つけることしかしていない。
その現実に泣きそうになった。