飛べない鳥に、口づけを。
樹さんはぽかーんとあたしを見ていて……
はっと我に返ったあたしは、慌てて口を塞ぐ。
そして、
「すみません……すみません……」
呪文のように繰り返していた。
あたしは馬鹿だ。
またまた、なんてことを言ったのだろう。
今度こそ樹さんを傷つけ、嫌われた。
もとから、不毛な恋だったのだ。
これでようやく諦める決心もついた。
そう思ったが、
「川口さんは……優しいんですね」
樹さんはその笑顔を崩し、あたしを見る。
今までの樹さんからは想像もつかない、泣いてしまうかのような切なげな顔だった。
そんな顔を見ていられなくて、あたしは俯く。
あたしは馬鹿だ。
大好きな人に、なんて顔をさせているのだろう。