飛べない鳥に、口づけを。





「樹さん……あっ……ありがとうございます」



思わず溢れ出た言葉に、



「ありがとうございます、じゃない」



樹さんは言う。




それにしても、樹さんは意地悪だ。

急に敬語をやめろなんて言われても……

あたしの頭の中はまだ、仕事モードなのかもしれない。

これではいけないと思い、さっきの樹さんの言葉を思い出した。



ーもう仕事とか関係ありませんからー






「あ……ありがとう」



震える声で伝えると、



「どういたしまして」



樹さんはまたまた太陽みたいな笑みをくれた。




いけないと思っても、どんどんのめり込んでしまう。

どんどん惹かれていく。

やっぱり、樹さんが大好きだ。


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