大切にしたい
やっと、目が覚めた頃には夕方になっていて、少し楽になった。

ケータイがピコピコ光ってる。

うわ~、めちゃ雪ちゃんから連絡来てる。

気づかなかった。

知らない番号から、連絡も入っていてかけ直してみる。

「吉武か?」

「先生?」

大野先生の番号だったとは…

「すみません。風邪引いたみたいで、熱が出てそのまま寝てしまいました。」

「そうか、無事なら良かったよ。ご飯は食べたのか?」

「まだです…今さっき起きたばかりなので。」

「学校帰りに何か持っていくから、それまで寝てなさい。」

「え、大丈夫ですよ。」

「遠慮するな、それに心配だ。」
先生のため息が聞こえた。

「はい、分かりました。」

電話はすぐ切れて

今日だけ、甘えよう。

だるい体には、すぐ眠気が来た。
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