暗闇の中の少女
「どうしてそんな事聞くの?」



探るような風磨の視線が突き刺さる



『皆が私を見るとさ、必ず麗美って言うからそんなに似てるのかなって思ってね』



「そっか」


なんとか誤魔化せたかな?



まさか、その“麗美”が記憶喪失だとは思わないだろうし…



それからは、皆放課後を知らせるチャイムがなるまで一緒にいた



「ねーね!麗ちゃんも一緒にこれから倉庫行かない!?」



元気一杯の秋樹私に向けて言う



『倉庫…?』



倉庫……?



ずきっ



『……っ…』



頭が割れるように一瞬痛くなってふらっとする


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