暗闇の中の少女
「おいっ」



時雨が倒れそうになった私を支える



『…っ…ありがと…』



まだズキズキする頭を抑えて時雨から離れる



「大丈夫か?」



心配そうに私を覗き込む時雨



『……うん、大丈夫…』



「…そうか…?」



『…うん。でも今日は、帰るね』



それだけ言って屋上から出る



“倉庫”



『っ…』



思い返しても頭が割れるように痛い



バランスを崩して階段から落ちるっ!って思った時には温もりに包まれてそのまま意識を手放した




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