暗闇の中の少女
『居るんだ』



「…っ…居るよ」



観念したように答えた速斗は恥ずかしそうに頬をさっき以上に染めて言った。



速斗はその人の事がとっても好きなんだね…



さっきのチクチクする痛みより痛い。



なんだろ、ズキズキの方が近いかな…?



ただ、胸が痛いんだ。



どうしてだろう…?



なんとなくここにこれ以上居たくなくて



『私、もう帰るね』



ベットに下ろしていた腰を上げ立とうとした



「っと、危ねぇ」



足元がフラついて転びそうになった私を速斗が抱きとめるように支えてくれた



どきんっ



一瞬で離れた体だったけど離れても速斗に触れられた所が熱を帯びた



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