赤い糸
 美智子は窓の外に広がる青い空を見つめた。

 遠くに白い雲が浮かんでいる。

 自分がまだ高校生だったときに好きだったクラスメイトの男の子のことを思い出していた。

 背が高く、水泳部らしく肩幅の広い子だった。

 窓ぎわに座る彼の白いシャツに反射する太陽の光がいつもまぶしかった。

 彼も美智子のことが好きだという噂があったのに、そして美智子もずっと彼のことが好きだったのに、お互い告白することなく卒業してしまった。
 
 あの時、彼に告白していたら。


 
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