支社長は取り扱い要注意!
そもそも事情を説明したところで、果たしてこの鬼支社長は納得してくれると言うのだろうか?

「お願いします!

とにかく、どうしても副業をしなければならない事情があるんです!

見逃してください!」

早口でまくし立てるように言って頭を下げようとしたけれど、
「グェッ!?」

支社長に首根っこをつかまれていることを思い出した。

頭を下げようとした瞬間、喉が締まって死ぬかと思った。

「規則は規則だ、破ったヤツを見逃す訳にはいかない」

そう言った後、支社長は首根っこをつかんでいた手を離した。

「そ、そんな…後3ヶ月なんです!

3ヶ月なんですから、見逃してください!」

そう言ったわたしに、
「3ヶ月?」

支社長は驚いたと言うように聞き返してきた。

「あっ…」

しまった、余計なことを言っちゃった…。
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