支社長は取り扱い要注意!
 * * *

俺が高畑まひるのことを知ったのは、W支社の支社長として赴任する半年前のことだった。

「遅くなったな…」

運転する車の中で俺は呟いた。

時計に視線を向けると、夜の10時を過ぎていた。

いつもは自炊をして…と言うところだけど、この時間に何かを作って食べる気力は起きなかった。

外で何か食べてから帰ることにするか。

疲れたから家に帰って寝たい。

風呂は起きたらすぐに入ればいいか。

そんなことを思いながら、俺はたまたま目に入ったファミレスの駐車場へと入った。

店内に入ると、家族連れの客がいた。

こんな時間から外食かよ…。

子供は明らかに幼いうえに夫婦は20代の前半あたりと言った感じで若かった。

途中から子供がぐずったりしないだろうか?

そんなことを思いながら店員に案内されるように、俺は席へと足を向かわせた。
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