支社長は取り扱い要注意!

高畑まひるの家出-二ノ宮凱目線-

『短い間でしたがお世話になりました 高畑まひる』

翌朝のことだった。

いつものように起きてリビングに顔を出すと、テーブルのうえには置き手紙があった。

「あいつ…!」

置き手紙を放り投げて彼女がいた部屋に行くと、高畑まひるはすでにいなかった。

ベッドやタンスなどの家具は置かれているが、そこに彼女はいなかった。

「――ッ…!」

その状況を目の当たりにした俺は、ガクンと膝から崩れ落ちた。

「何も、出て行くことなんてないじゃないか…!」

そう言った俺の声は、誰の耳にも入ることなく消えて行った。

どうして、それも今さらになって気づいてしまったのだろうか?

高畑まひるに自分の気持ちを聞かされたあの時、俺は気づいた。

――彼女に恋をしていることに。
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