支社長は取り扱い要注意!
目を開けたのと同時に、自分が眠っていたことに気づいた。

「――イタタ…」

座ったままの状態でリクライニングシートで寝ていたせいか、躰が痛かった。

と言うか、
「あれ、お父さんは?」

目の前にいたはずのお父さんがいないことに気づいた。

その代わりに、パソコンの隣にはお父さんの遺影があった。

夢を見ていたのだろうか?

「夢だとしたら、何かリアルだったな…」

でも、久しぶりにお父さんに会って話ができたからいいか。

――支社長と向きあいなさい

夢の中で言われたお父さんの言葉が頭の中に浮かんだので、見あげた。

当たり前だけど、見あげたそこはネットカフェの天井だった。

「…お父さん、見ているんだよね?」

いつも見ていたって言ってたからなあ。
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