支社長は取り扱い要注意!
Epilogue
わたしと支社長が結ばれて、半年が経った。

「ようやくスタートしたんだな」

ウエイターの制服に身を包んだ凱さんに、
「スタートしました」

コックの制服に身を包んだわたしが返事をした。

赤レンガが特徴的な昔ながらの洋食店の名前は、『あけび亭』だ。

――お父さん、ずいぶんと時間がかかってしまったけれどやっと夢がかなったよ。


半年前、わたしと支社長は『ニノミヤ硝子株式会社』を一緒に退職した。

「せっかくまひるちゃんと仲良くなったのに…」

目を赤く腫らしながら言った平野さんに、
「ごめんね、急に退職することになっちゃって」

わたしは謝った。

「でも、お父さんの店を復活させるために働いていたんでしょ?」

同じく目を赤く腫らしている大橋さんが言った。

「うん」

首を縦に振ってうなずいたわたしに、
「私、お店に遊びに行くから」

大橋さんが宣言した。
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