支社長は取り扱い要注意!
朝ご飯の準備を終えてお弁当を作っていたら、
「おはよう」

パジャマ姿の支社長がリビングに現れた。

「おはようございます」

お弁当を作りながら、あいさつを返した。

「会社に食堂があるのに何で弁当なんだ?」

支社長が不思議そうに聞いてきた。

「節約です」

わたしは答えると、わっぱ弁当にご飯を入れると、そのうえからゴマ塩を振った。

今日はわたしの好きなゴマ塩ご飯とたまご焼き、豚肉となすの味噌炒め、プチトマト、ひじきの煮物だ。

支社長の言う通り、会社には食堂と言うものがあるが入社してから1度も利用したことがなかった。

いつも弁当を持って、自分のデスクで食べると言う毎日である。

全ては夢のためだ、贅沢をしている場合ではない。

「寂しくないのか?」

そう聞かれたので、
「えっ?」

顔をあげたら、支社長は洗面所の方へと足を向かわせていた。
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