支社長は取り扱い要注意!
「それに飲み会はただ酒を飲んで食べるだけじゃない。

普段口を利かない人との交流ができる場でもある。

いわゆる、コミュニケーションツールと言うヤツだ。

それに、お前みたいに飲み会に参加するのが面倒くさいと思っているヤツは案外たくさんいるかも知れないぞ?

話しかけたら仲良くなれるんじゃないか?」

支社長は言った。

「た、確かに…」

支社長の言うことはもっともである。

案外、そう言う人は簡単に見つかるかも知れない。

「辞める前に1人でもいいから友人を作ること――これが、俺がお前に出すもう1つの条件だ。

わかったか、高畑まひる」

そう言ってきた支社長に、
「はい」

わたしは首を縦に振って返事をした。

「よし、いい子だ」

支社長はそう言って笑ったのだった。
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