支社長は取り扱い要注意!
あっ、笑ってる…

支社長の笑った顔を見たのは初めてだったので、わたしの心臓がドキッ…と鳴った。

笑うと目が細くなって、目じりにシワができている。

へえ、支社長ってこんな笑い方をするのか。

「どうかしたか?」

そう声をかけてきた支社長に、わたしは彼をジッと見つめていたことに気づいた。

「い、いえ…」

わたしは首を横に振ると、支社長から目をそらした。

何だろう…。

心臓がドキドキと鳴っている。

「ついたぞ」

支社長に言われて視線を向けると、家の前だった。

「じゃあ、先に降りて寝てます」

そう言ったわたしに、
「ああ、わかった」

支社長が返事をしたことを確認すると、わたしは車を降りた。
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