「先輩、甘えるってなんですか?」
鳳駕の満面の笑み、久しぶりに見た気がする。




そっか。




受かったんだ。





「これを朝一に言いたかったのに沙代先に行っちゃうんだもん。珍しく。」





「そっか。そっか。ごめん。」





「いや、別にいいんだけどさなんかあったの?あっ、昨日あの後どうだった?」





「昨日って?」




鳳駕が私と実乃里に聞く。





「昨日お母さんから電話きて、早めに帰ったんだよ。」





「あっ、そうだったのか。」




「それで、別に何ともなかった?」





2人に話そうと思ったけど、こんな嬉しい日に言うのもなんか気が引ける。





嫌な空気にしたくないし。





「いや、別に今日じゃなくてもいいんだけど。大した話じゃないし。」





「えぇー、でも気になるし。沙代が良ければ話してよ!」





実乃里が笑っていう。




その笑顔も私の一言で無くなるかもしれない。





でも、言うなら、早いほうがいいよね?





私はニコッと笑ってふたりを見た。





「あのね、・・・・お母さん達、離婚するんだってさ!!それだけ!!」





ほらね。





実乃里の顔から笑顔が消えた。





だから言いたくなかったのに。




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