君が少し気になる
教室から出ると
すぐ目の前に誰かが立ってた。
「っ!」
急に大きな胸板が現れたから
驚いて後ずさりする。
見上げると、
そこにいたのは須藤だった。
「須藤か
びっくりした」
「麻生 やっぱ前田が好きなんだ」
ヒュッと
喉の奥で何かが鳴った。
「聞いてた?」
疑問系にしたけど
聞かれていたことくらいは分かる。
信じたくなかったのだ。
「うん」
「…」
「前田、立花が好きだよ」
「、」
「前田、
すっげー立花の話ばっかすんだよ。
かわいいかわいいって、
だからあいつはやめとけよ」
「…うん」