ゲーム〜リアルファンタジー〜

夏休み

届いたゲーム

「それじゃあ 次の登校日は7/31ね。夏休みの間に怪我しない様に 元気に過ごして下さい」
先生の言葉が終わると
「起立〜礼」
一学期最後の日直が号令をかけると みんながそれに従い 一学期が終わった。
僕は 誰より早く教室を飛び出し家に向かって走った。
今までこんなに走った事がない位 走った。
通いなれて 見飽きた風景……息が切れて苦しい
僕はそれでも走った
白い大きなアパート
普段は普通に昇るのさえイヤでダラダラ昇っている階段を一つ飛ばしで 一気に昇り切る
「ただいま。お母さん。届いてる？」
「届いてるけど 先に約束が守れてるかチェック……」
お母さんの言葉が終わらない内に 僕はキッチンで昼食を作っていた手に通知表を握らせた。
中に目を通すお母さんを横目に部屋に急いだ。
薄いドアの向こうで聞こえる声
「へ〜……やれば出来るじゃない」
お母さんの声は弾んでいた。
（当たり前だよな。お前の為なら頑張るよ）
僕は そう心の中で机の上の包みに話し掛けた