プレシャス~社長と偽りの蜜月~
浅田さんは青ざめた私の顔を見て、慌てて来てくれて雅人の傷の手当てをしてくれた。


「夫婦喧嘩か?雅人」

「まあな…俺が悪いんだ・・・」

「雅人が原因か…お前は元朱音様の執事。身分を弁えろ」

「それよりも朱音、大丈夫か?」

傷の手当てを終えて雅人が心配そうに問いかける。

「大丈夫よ」

「さっき…何かを思い出したんじゃないのか?」

「別に何も思い出してなんかないわ・・・」

「私はこれで…二人共仲直りするんだぞ」

浅田さんはそう言うと救急箱を持って出て行った。

再び私と雅人の二人になった。

「話の続きをしようか?」

「雅人は私達、愛し合って結婚したと言ったわね…でも、私には別に男が居た」

「ああ、居た・・・」

雅人は額の絆創膏を隠すように後ろに撫でつけていた前髪を下ろした。そして、足を組んで不遜な態度な返す。
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