プレシャス~社長と偽りの蜜月~
慣れ合った肌だと思うけど、一糸纏わぬ雅人の姿を見ると全身が気恥ずかしさで熱を宿す。


私の肌に触れる彼の指先。

「記憶がないって言うのは新鮮だね・・・まるで初めてみたいな気分になる」

「雅人は憶えているクセに・・・」

「朱音は憶えていないんだろ?」

「全部覚えてないんだもん。仕方がないでしょ」

「そうだね・・・」

雅人の指が不埒な場所に潜り込んで来る。

「ま、まま雅人!!?」

「そう向きに怒るなよ・・・」

雅人は躊躇う私を窘め、カラダを組み敷いた。


「雅人・・・」

「愛してるよ。朱音」

彼の甘い囁きと施しを受けて結ばれた。


記憶がないせいだろう。
私にとっては初体験に思えた。


「朱音の中ってこんなにも熱いんだ」
雅人の欲情に溺れるその様が妙に色めいていた。そのまま彼は朝まで私を抱き締めた。




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