プレシャス~社長と偽りの蜜月~
「優しくなんかしないでよ」

「朱音は何と言おうと俺が優しくしたいんだ・・・」

「私は貴方のコトを・・・」

「嫌いなんだろ?それでもいいさ」

「雅人って変な男よ」

「・・・朱音と夫婦だと言うその事実が嬉しいんだ」

「私、寝る・・・」

私を愛しそうに見つめる雅人の瞳を見つめ返せず、ソファを立ってベットルームに引っ込んだ。


私の中に芽生えた子は雅人の子。


彼が私の妊娠を知れば、手放しで喜ぶだろう。私が自分のモノになったと思うだろう。


雅人は最初から自分の子を私の中に身ごもらせるつもりだったかもしれない。
自分を嫌う女を妊娠させるなんてとことん嫌な男だ。




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