プレシャス~社長と偽りの蜜月~
多忙な雅人との結婚生活が始まったが、私達のハネムーンは一泊二日の鎌倉旅行。

ハネムーンは一生に一度の旅行。

南の島のバカンス、ドイツのロマンティック街道、情熱の国スペインとか最高に想い出になるような場所を期待していた。
私の空っぽの脳内を満タンにするようにたくさんの想い出を作りたかったけど、会社の軌道を乗せるまではお預け。

ハンドル握る雅人の横顔をチラッと盗み見る。

「何?俺の顔に何か付いてる?」

彼の目線は真っ直ぐに前を向いているはずなのに、私の視線に気づくなんてもう一つ目があるのかと驚いた。


「別に…何もない」

「落ち着いたら、仕切り直しに海外旅行しような。朱音」

「うん」


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