プレシャス~社長と偽りの蜜月~
クリスマスを病院で迎え、大晦日に退院した。


新年が過ぎ、私の日常は雅人を見舞う毎日。パパが大変な目に遭っているコトを露知らず、私の中で赤ちゃんはスクスクと育っていた。


誠二叔父様が雅人の代行で社長職を務め、樹彦達は日々、仕事をしながら社長の意識の回復を待っていた。


雅人のベットの脇には社員全員が折った色とりどりの千羽鶴が飾られている。


「皆、毎日仕事頑張ってるよ。雅人」

全ての記憶を戻した私はどれだけ雅人が自分を愛しんでお世話をしてくれたのかを思い出した。


わがままで気の強い私は雅人の手を煩わせていた。

それでも、雅人は私を優しく包んでくれた。


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