あの日みた月を君も
1.白い月
1.白い月


高校の入学式。

クラス名簿が正門入ってすぐの掲示板に貼られていた。

自分の本位ではなかった高校。

受かるはずもない1ランク上の高校を担任と母に勧められ、受けたら通ってしまった。

第一希望だった誰もが受かると予想していた公立高校は、落ちていた。

私の友人達のほとんどが公立高校に進み、この高校に進んだのは結局私一人。

レベルうんぬんはともかく、私の心境は最悪だった。

知ってる人間が誰もいない高校生活なんて。

しかもこの高校は中高一貫校で、高校からの入学者はわずか42名の一クラス分。

必然的に私と同じく高校から入学した全員が同じクラスになる。

要するに高校1年全8クラスのうち、私のクラス以外の7クラスは全員中学からエスカレーター式に上がってきた生徒なわけで。

入学式会場の体育館に入ると、私のクラスの浮いてることといったら。

まるでライオンの群れに放された子鹿達のように縮こまって見える。

大きくため息をついて、出席番号順に並んだ自分の座席についた。
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