さくら 咲け
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みんなのマフラーが段々と出来上がってきた頃。12月半ば。
移動教室のために廊下を歩いていると、肩をポンッと叩かれた。誰かと思って振り返ると、
「良太くん!?」
「よっ、麻奈ちゃん」
「...久しぶりだね」
「だね、こうやって話すの。文化祭以来かな」
「う、うん」
文化祭以来、と言うより、あの告白以来、私は良太くんを避け続けた。
「まだ、決めらんない?」
「...うん。ごめん」
「大丈夫だよ。真剣に考えてくれてありがと」
良太くんは、私以外の人を好きにならないのかな。なんでずっと私を好きだと思えるんだろう。
「そーいや、マフラー作ってるんだって?」
「うん。沙奈から?」
「そ。俺に作ってくれてる?」
「ち、違う!」
思わず思いっきり言っちゃって、傷ついたかな、と思ってしまう。
「ちょっとくらい期待させてくれたっていいのに酷いなぁ」
「ごっ、ごめん」
「冗談だよ。本気にすんなって。」
本気にするよ。だって、良太くんの言葉は一言一言本物だもん。本気だもん。