さくら 咲け


***

家に帰って、ご飯も食べて、お風呂にも入った。



今は夜の、のんびりタイム。



でも、私の心は全然のんびりじゃない。



その理由は、今私が開いている携帯の画面にある。



開いているのは新規メール作成のところ。


宛先は...圭介くん。



うーん、どうしよう


『今日はありがとう』


かな。



ブツブツ呟きながらやっとの事で送ったメールは、


『圭介くん、今日はありがとう。

4人でお茶出来てすごく楽しかった。

また学校でね!』



という何でもないメール。



しょうもない...。



送信ボタンを押して、ホッと一息。



未だドキドキし続ける心臓を落ち着かせようと静かに目を閉じてじっとしていると、


ブー、ブー


と、携帯のバイブ音。


飛び起きて、携帯を開くと、圭介くんから



『こんばんは
僕もすごく楽しかった。
こちらこそありがとう。

また今度も4人で出かけたいね』


というメール。



また出かけたいね、って言葉にどうしようもなく心が弾む。



また、圭介くんと出かけられるかな。



『こんばんは

私も、また出かけたいな。』



『うん、今度予定たてようか?

そういえば、さっきまで沙奈さんと話してたけど沙奈さん、面白い人だね』



圭介くんと、会話が続いてることに心が安定しない。



『そうだね!予定たてよう!

沙奈、面白いでしょ(*^^*)
家の中でもムードメーカーだよ』


『やっぱりね
僕の家では、良太がムードメーカーかな』




そうやって着信履歴に少しずつ圭介くんの名前が溜まっていく。



その事が、すごく嬉しくて、嬉しくて。



学校がすごく楽しみで。



今日の朝までは振替休日永遠に、とか思ってたのに、今は早く終われって思ってる。



好きな人効果ってすごい。




何回かメールを送り合って、時間も遅いからと終わることになった。



『また学校でね

おやすみ』



という圭介くんからのメールに『おやすみ』と返す。



おやすみを言い合える関係になれたことが嬉しくて、また、胸がドキドキする。



今日は、よく眠れそう。



いや、逆に心臓がうるさくてなかなか寝れないかも?



でもこの心臓のうるささは、心地いいからそれでもいいかなって思っちゃう。


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