僕らの空

出逢い


「それじゃ、俺は3組で、お前は4組だから、終わったら迎え来いよ!」

わかった。とだけ言って俺は自分の教室へと向かった。


同じ学校から来たのは俺と圭介だけだから、やっぱり俺は緊張して誰とも目も合わせられなかった。

話しかけられても、無愛想な返事しか出来なかった。

担任の話しも耳に入ってこない。

落ち着かなくなりポケットに手を入れた。


…なんで


あの頃の癖だ。

俺のポケットには小さなボールが入っていた。

脳は拒絶するのに、俺の手はポケットから出ることはなかった。


いつの間にか担任の長い話しは終わっていた。
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