僕らの空

担任の『解散!』という合図と同時に俺は席を立った。

3組のHRはもぉとっくに終わっていて、生徒たちはそれぞれ新しい友達との会話を楽しんでいた。


教室にはいくつかの人だかりが出来ていたが、その中でも1番大きな人だかり。
そこに圭介はいるのだとわかった。


仕方なく俺は3組の教室の隅に座り込んだ。

「はぁ…」

坊主頭の奴らを見るといまだに胸のどこかが苦しくなる。

ポケットに入れたままの左手…

肘が痛む。

日常生活には支障はないと言った医者の言葉。

支障はないと言ったじゃないか。

なのに、なぜ…

なんでこんなに腕が軋む?


右手で強く左腕を握った。


「くそっ…」
< 11 / 29 >

この作品をシェア

pagetop