嫌いなアイツ。



***************


1年くらい前、俺はある女と付き合っていた。

名前は市川れいら

俺と同い年で学校1の美少女って言われてる奴だった。

れいらとの出会いは、中学生の時だった。
俺は中学生の時はすごい真面目な奴だった。だから、れいらみたいな美人とかちょっと怖くて近寄ったりした覚えもなかった。

高校に入って初めて同じクラスになって
それから少し話しかけられるようになった。


「小池くん…先生が呼んでたよ?」

「小池くん、起きて!
体育行かないと遅れちゃうよ!」

「小池くん…女の子が呼んでるよ…?」


小池くん小池くんっていっぱい呼んでくる
れいらに俺は少しずつ惹かれてた。

れいらはビクビクしながらいつも男と話してたから、少し苦手なのかと思って
俺は自分からはあんまり話しかけたりしなかったけど
ある時、れいらが違うクラスの男に呼ばれて教室を出ていった。

「ちっ……告白か…」

俺は何故か無性にイラついてた。
その時初めて俺は"好き"って気持ちに気づいた。

「くそっ…行くか…」

俺は無我夢中に走り出した。
絶対誰にも渡さねー!!


< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop