愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
この結婚を祝福する人など、はなから存在しないことは奏多さんから聞いている。
だが、彼にとってマイナスになる情報は、私は聞かされてはいなかった。

「私と結婚したら、奏多さんは……どうなるんですか」

尋ねると、東堂さんは眉尻を下げて、困った顔つきになった。

「そうなると断言はできないけれど……最悪の場合は、CEOの立場を追われてしまうかもしれないわ。私の父の持つ派閥は、かなりの力を持つ人の集まりなの。奏多さんと私の婚姻で、月島の中にある二大勢力がひとつになるはずだったから」

私は口を押さえて驚く。
派閥が存在することは、奏多さんから聞いている。
彼女の話が本当のことであると、内情を知らない私は信じるしかない。

「私は……どうしたらいいんですか」

足が震えてくる。
奏多さんが失脚することなんか、私は望んではいない。
嘘の結婚が彼の人生を大きく変えてしまうなんて。そんなことは、あってはならないことだ。


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