愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
『はい』

インターホンから、聞きなれた瑠衣の声がした。

「奏多だ。話があるんだ」

『えっ……』

それだけ言って声が途絶えた。

待ちきれなくなり、ドアに向かって直接話す。

「教えてくれ。俺は君になにをした?どうして急にいなくなる?説明してほしい」

一気に言ってから、彼女の反応を待つ。
しばらくすると、ドアが静かに開いた。

「瑠衣」

化粧を落とし、部屋着に着替えた瑠衣がそこにいた。

「奏多さん。なにも聞かずに帰って。私はもう、あなたとは一緒にいられないの」

小さな声で言った瑠衣の両肩を掴んだ。

「君は逃げないと言った。理由を知るまでは帰らない」

顔を近づけて言う。
終われない。君が好きだから。
口にはしなかったが、心でそう訴える。

「私はあなたとは結婚しない。恨まれてもいいわ。勝手だと怒ってもいい。理由は言えない」

彼女は俺と視線を合わせない。
だがその指には、俺が贈った指輪が光っていた。

「納得できないんだ。俺がいない間に、なにがあった?」

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