愛され婚～契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます～

＿＿「これが……私？」

鏡に映る自分の姿を、まじまじと見つめる。

「このドレスは、スタイルが際立つデザインですので、着こなせる方は少ないと思います。ＣＥＯは瑠衣さまのことを、よくご存知ですね」

私を変身させてくれたスタッフのひとりに言われ、私は顔が熱くなるのを感じた。

大胆なデザインのパーティドレスは、背中と胸元が大きく開いており、細く絞ったウエストを強調するかのように、膝丈のスカートにふわりとしたボリュームがある。

薄桃色の優しい色合いは、受付の制服とよく似ていた。

パーティメイクを施し、髪をすっきりとアップした鏡の中の私は、自分で言うのもおかしいが、普段とは似ても似つかないほどに華やかなイメージに変わっていた。

「ＣＥＯが首を長くして待っておられることと思います。早くお見せしないと、しびれを切らせてしまいますわね」

私の背に優しく手をかけ、私を誘導するスタッフに連れられて、私はビューティサロンを出た。