1日10分、俺とハグをしよう


精一杯の、反抗。


奴は、そんな私を見て、小さく困ったように笑った





「……それ、可愛すぎ。わざと?」


「っえ、あ、ちょっ…」



「久しぶりに可愛いことする千紗が悪い」






くいっと腕を引っ張って、

藤堂の腕に包まれる私。




ぎゅーって、抱きしめられるの、すごく久しぶりだ…



この匂い懐かしい…



思わず私もぎゅっと抱きしめ返すと、

藤堂の肩がピクリと揺れた





「…あー…やっぱ可愛い」




そう呟く

なんだかくすぐったい。





「…ねぇ、ハグ友に戻ろうよ。

陸くんとより戻してないんでしょ」





私に寄りかかりながら、甘えたようにそう言う


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