1日10分、俺とハグをしよう


ほんのり焦げ茶色の髪の毛がふわふわしてて、

さ、触りたくなっちゃう





「…おーい、藤堂?」





肩を少し揺らしてみても起きないし…


じゃあ、触ってもいい、よね?




えいっ、と手を伸ばした


猫っ毛なのか、藤堂の髪の毛は柔らかくて気持ちいい





『千紗と同じ好きか分かんない』


『返事出来ないや、ごめんね』





「…。」





…ねぇ、どうしてそんなこと言ったの?

告白を断るために適当に言っただけ?




あの時の藤堂は、悲しそうな顔をしてた




本当に、分からないの?





『本気で人を好きになったことないから、こんなことできるんでしょう?』


『…へー…すごいね』


< 178 / 356 >

この作品をシェア

pagetop