1日10分、俺とハグをしよう
ほんのり焦げ茶色の髪の毛がふわふわしてて、
さ、触りたくなっちゃう
「…おーい、藤堂?」
肩を少し揺らしてみても起きないし…
じゃあ、触ってもいい、よね?
えいっ、と手を伸ばした
猫っ毛なのか、藤堂の髪の毛は柔らかくて気持ちいい
『千紗と同じ好きか分かんない』
『返事出来ないや、ごめんね』
「…。」
…ねぇ、どうしてそんなこと言ったの?
告白を断るために適当に言っただけ?
あの時の藤堂は、悲しそうな顔をしてた
本当に、分からないの?
『本気で人を好きになったことないから、こんなことできるんでしょう?』
『…へー…すごいね』