1日10分、俺とハグをしよう
「なっ…あんた、何して…!」
「何って…千紗のこと抱きしめてる」
力強く抱きしめる藤堂は、私の耳元でそう言った
な、なんで…
だって私はあんたのこと好きなんだよ?
「…自分に興味ない子以外と、こんなことしないんじゃなかったの…」
『早乙女さんて、俺のことキョーミないよね』
忘れてないよ、あの言葉
『俺のこと好きになるのだけはやめてね』
訳わかんないよ、藤堂
「そのつもりだったんだけど……」
ごめんね、って、小さく呟く
「…千紗じゃないと俺がダメになっちゃった」
「な、何言って…」
「ほら、ちゃんと癒してー」
「ちょっ…苦し…」