1日10分、俺とハグをしよう


「なっ、にそれ…」




意味分かんない…のに、

どうして私はこんなにドキドキしてしまうの!



なんて、そんなの、絶対こいつの色気のせいだっ


こんな風に言われたら、誰だってドキドキするし、顔だって赤くなる



…藤堂はズルい奴。




「(でも、だからってわたしはハグなんて嫌だしっ…)」




…どうすれば藤堂は諦めてくれるのかな?



なんて、そんなことを考えていると、



声がした。すぐ近くで。




誰の、だなんて考えなくても分かる





「……りく…」





無意識に呟いてしまっている自分に気づいて、

カァァッと顔が熱くなった




聞こえるのは、陸のだけじゃない


朝も聞こえた、女の子の声




きっと、この前一緒に手を繋いでいたあの子だ


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